2007年にがん対策基本法が施行され我々医療従事者のみならず和歌山県民の方々にも「がんと診断された時からの緩和ケア」が着実に広がっています。一方、和歌山県は人口と医療資源が偏在している県です。人口が多い都市部には緩和ケア病棟や緩和ケアチームを有する医療機関があります。しかし、その恩恵はすべての和歌山県民に行き届いているでしょうか?緩和ケアが必要とされているにもかかわらず、標準的な緩和ケアにもアクセスできない和歌山県民はまだ数多くおられます。
そこで、和歌山県内の医療を支えている皆さんと一緒に緩和ケアについて考え、緩和ケアに関する最新の知見を共有し、気軽に緩和ケアの相談ができる場を提供することができないかと考え、ONE
SPACE Wakayama プロジェクトを計画いたしました。このプロジェクトを高く評価していただいたPfizer 社よりGlobal Medical Grants (GMG)
助成を受け、ようやくプロジェクトの実現に至りました。
このプロジェクトは、①和歌山県立医科大学附属病院遠隔外来によるDoctor to Doctor 型緩和ケア診療・教育(on the job
training)、②遠隔会議システムによる研修会・事例検討会(off the job training)、③遠隔会議システムなどを利用した緩和ケア相談 の3
本柱で、離れた場所に居ながら緩和ケアの知識・技術をアップデートできるように工夫しています。ONE SPACE Wakayama
プロジェクトが、すべての和歌山県民に緩和ケアを届けるためのプラットフォームになれるよう努めて参ります。皆さんのご参加・ご協力よろしくお願いいたします。
ONE SPACE Wakayama プロジェクトリーダー 栗山俊之